インドネシア海外留学体験記: 【Prime Video】インドネシア映画「ソーン高校の籠城戦」レビュー

2025年9月7日日曜日

映画レビュー：『ソーン高校の籠城戦』— 学校という名の戦場で繰り広げられる人間ドラマ

2025年に公開されたインドネシア映画『ソーン高校の籠城戦』は、アクションスリラーの枠を超えて、社会的・歴史的なテーマに鋭く切り込んだ作品です。監督はジョコ・アンワル。舞台は2027年のジャカルタ。

物語は、1998年のジャカルタ暴動で華人の姉を失ったエドウィンが、18年後にその姉の忘れ形見である甥を探すため、ソーン高校で代用教師として赴任するところから始まります。

ソーン高校は不良生徒の巣窟として知られ、エドウィンも華人であることから差別と敵意にさらされます。その中で、再び暴動が勃発し、学校内に閉じ込められた彼は、生きて脱出するために暴力的な不良グループとの戦いを余儀なくされます。

本作は、1998年のジャカルタ暴動を背景に、民族間の憎しみと暴力の連鎖を描いています。エドウィンの個人的な復讐劇を通じて、ヘイトクライムや社会的な分断、教育現場での葛藤など、現代社会の深刻な問題に迫っています。

前半は、インドネシアらしい風景でどことなく緊張感を感じつつも物語が進行していきますが、後半は血生臭い攻防戦と仲間割れ、そして命がけの脱出と、かなりハードな展開となっていきます。全体的にアクションが多い内容ですが、意外にも劇中のインドネシア語は聞き取りやすいです。

2025年9月7日時点では、Amazon Prime Videoで視聴可能です。